注目キーワード
  1. CKD-MBD
  2. HIF-PH阻害薬
  3. SDM
レオカーナ

レオカーナ

  • 2021年8月5日
  • 2021年8月19日
  • DHP
DHP レオカーナ

レオカーナ

重症のASO ( 閉塞性動脈硬化症 ( Arterio Sclerosis Obliterans )
特に重症下肢虚血(Critical Limb Ischemia:CLI)を治療する
吸着型血液浄化器「 レオカーナ 」を開発し8月に製造販売承認を取得
2021年3月1日に保険収載を経て販売が開始された
新しい治療方法になります。
ちなみに、レオカーナの意味は、” 流動学 “の「 Rheology : レオロジー」と
ローマ神話に登場する健康の女神 “の「 carna : カルナ」を組み合わせたものだそうです。

ASO ( 閉塞性動脈硬化症 ( Arterio Sclerosis Obliterans )
動脈硬化などが原因となり下肢動脈の内部が狭窄・閉塞することで、血液の循環障害(虚血)が引き起こされる疾患

適応疾患

血行再建不適応の潰瘍・壊疽を有する閉塞性動脈硬化症

リガンド

  • デキストラン硫酸
  • L-トリプトファン

保険適応 ( 2021年3月 )

償還価格:91,600円
準用技術料 : 1,680 点 ( 創傷処理2の所定点数を準用 )

償還価格
償還価格とは、公的医療保険制度において医療機関が診療報酬として保険機関(一部は患者の負担)に請求できる代金のうち、医療材料として請求できる材料(特定保険医療材料)の請求価格であります。 原則2年に1回行われる診療報酬の改定に伴い、償還価格も改定されます。

原則として一連につき 3月間に限って、24回を限度として算定できる

注意点

  • ACE阻害薬との併用は禁忌
    (ショック発生の報告あり)
  • 抗凝固剤使用が禁忌である患者。
    [抗凝固剤が使用できない場合、本品を含む血液回路内で血液が凝固するおそれがある。]
  • 再使用禁止。

※ その他、注意点については添付文章をご確認ください。

治療

準備方法・プライミング

物品の準備

  • 血液浄化装置
  • 吸着器
  • 回路
  • 抗凝固剤

プライミング方法

ヘパリン化生理食塩液1000mL あたり2000 単位のヘパリンを加えたもの)を
1000mL 以上流し気泡を除去しながらプライミングを行う

治療条件

血流量:200ml/min
( 患者の状態を観察しながら段階的に血液流量を上昇させ、最大流量は200mL/分とする。 )
時間:2時間
血液処理量:24,000~30,000ml
抗凝固剤:ヘパリン又はメシル酸ナファモスタット
ヘパリンでは、初回 3000単位をワンショットして、持続500~1500単位/h投与。
ナファモスタットメシル酸塩では、持続20~50mg/h投与する。
※ 出血傾向がある場合は、メシル酸ナファモスタットを使用する。

治療終了後、生理食塩液を 50 ~100mL/ 分で
300 ~400mL (いずれも回路の容積が100mL の場合。回路の容積に応じて増減させる。)流し
血液回路及び本品内の血液を患者に返血する。

治療上の注意点

本品の血液入口の圧力と血液出口の圧力との差が 150mmHg 以内で使用すること。
150mmHg を超えた場合は治療を中止し、直ちに血液流路内の血液を回収すること。
[本品内で血液凝固等が起こったと考えられる。本品内圧力が上昇しすぎると、本品の破損や血液の漏れにつながるおそれがある。]

技士さん
この差圧を計測しながら治療を行う点が
ちょっと注意するところかな。
以前、LCAPなんかではセルソーバが固まりやすいから
差圧を見ながらやっていたね。
ちなみに、セルソーバは 100mmHg前後で管理してたよ。

LDL吸着療法 (吸着型血漿浄化器 )
リポソーバー との違い

レオカーナと似た治療方法としてLDL吸着 ( 「リポソーバー」( 吸着型血漿浄化器 ) ) がありますが
違いとして、LDL吸着は血漿分離方式による LDL アフェレシスであり
適応疾患は難治性高コレステロール血症で、LDL-C を吸着することを目的としています。
保険適用は、Fontaine分類で II度以上のASO患者になります。

これに対し、レオカーナはLDL-C とフィブリノゲンの双方を選択的に吸着除去する
DHP ( 直接血液潅流 ( Direct HemoPerfusion )の吸着型血液浄化器であり
高コレステロール血症を併発しない患者にも使用できます。
保険適用は、Fontaine分類で II度以上の潰瘍を有する FontaineIV度の ASO(CLI)患者の潰瘍治療
を目的に使用できます。

技士さん
LDLアフェレシスと違いDHPだから簡単。
QBを200ml/minで回すことからも
透析患者さんに特化した治療だとも言えそう。
透析患者さんでなければ、血流はとれてもせいぜい 60ml/minで
QB=200ml/minは厳しいからね。

Fontaine分類

無症状、しびれ、冷感
Ⅱa 軽度の間欠性跛行
Ⅱb 中等度の間欠性跛行
安静時疼痛
潰瘍形成、壊疽

 

関連記事

LDL吸着療法は、LDLを吸着除去することによる 閉塞性動脈疾患の治療を目的とした血液浄化療法です。 PA ( Plasma Adsorption = 血漿吸着) の部類に入る治療方法で、血液を血漿分離器で「血球成分」と「血漿成分」に分[…]

株式会社カネカメディックス

 

参考:カネカメディックス、PMDA
画像引用:カネカメディックス

 

この記事の関連商品

3M Littmann
Stethoscope Cardiology IV
バーガンディー
GELATO PIQUE & Classico
フレンチスリーブインナー
レオカーナ
最新情報をチェックしよう!

DHPの最新記事8件