透析を行う上で、切っても切れない関係と言えるのが血圧下降。
これを防ぐ一つの方法として高Na透析が御座います。
高Na透析とは、透析液と血清Na濃度に 4mEq/l以上の差をつけて行う方法で
下記で述べる方法では、200mEq/lで行う様なことも珍しくありません。
この方法に二つあって
「Naグラジエント法」と、「cell wash法」
があります。
Naグラジエント法
グラジエントとは、「勾配」とか「傾き」という意味で
透析では他にもダイアライザのお話をする時にも、「グラジエント構造」「非グラジエント構造」「対称グラジエント構造」といって膜の断面の話をする時に使ったりします。
この事については、またの機会でお話しするとして、今回の「Naグラジエント法」とは
血圧低下を防ぐ為に、溢水状態による比較的血圧が高い状態の透析開始の段階で高Naで透析をして除水を多めにかけて行いはじめの方に除水をしておき、後半は除水を少なくし通常のNa濃度で透析を行い、透析後半の血圧低下防止と、終了付近での体に除水の負担を少なくするといった方法になります。
Na濃度を右肩下がりに落としていくことから「Naグラジエント法」と呼ばれているそうです。
cell wash法
「Naグラジエント法」は勾配を持たせる方法でしたが、「cell wash法」は高Na透析液と通常のNa 濃度の透析液とを交互に使用する方法になります。高Na濃度の透析液の時に多く除水を行い、通常のNa濃度の透析液の時はUFRを落とす。
透析終了間際で通常Naで行い、透析後に口渇などが出ない様に血中のNa濃度を正常値まで落として終了するという方法と言われています。
高Naと通常濃度と交互に行うこと様が、「細胞を洗う」様なイメージだったことから「cell wash法」と呼ばれるそうです。