AFBF ( AcetateFree BioFiltration ) 無酢酸透析について
透析にいると血圧低下という永遠の課題がつきものです。これは除水によるものが大半を占めてはいますが、稀に酢酸不耐症という症状の方がいて、この症状により血圧が下がる場合があります。これは、通常の透析液に含まれている酢酸が体内に入ることにより血管が拡張し血圧が下がってしまうというものになります。
酢酸は体内に入ると血管拡張作用や心拡張作用があるとされています。
では、そもそもなぜ重炭酸透析の時代に透析液に酢酸が入っているのか?って思いませんか?
なんで透析液には酢酸が入っているんですか?
透析液のpHを調整する緩衝材として氷酢酸っていう形で入れられていてるよ。
あと、酢酸が入ってる事で液を作成したり貯めておく際に細菌等が繁殖しなかったりする。
理由は、透析液のpHを調整する為に入っているという事でした。
AFBFには酢酸が入っていない
そんな酢酸がその名の通り、AFBFには入っていません。もちろん理由の主は酢酸不耐症に対処する為で、酢酸を全く含まない透析液を使う事で血圧低下を防ごうというものです。でも、じゃぁさっきのpHの調整はどうするの?ってなりますよね…
じゃぁAFBFはどうやってpHを調整してるんですか?
クエン酸っていうものを使ってpHを調整しているから
酢酸を使わなくても良いんだ。
AFBFの適応
- 血圧低下で除水が困難な透析困難症例
- 不均衡症候群
- 酢酸不耐症
- 酢酸を含む透析液での透析で、代謝性アシドーシスの改善が不十分の場合
- 高Ca血症や高Mg血症・高K血症の改善が見られない場合 etc…
AFBFのメリット
- 酢酸不耐症による血圧低下予防
- 不均衡症候群の予防
- 高Ca血症や高Mg血症・高K血症の改善
AFBFのデメリット
- 透析後に過度のアルカローシスになる事がある
- 透析中に血中クエン酸濃度が上昇する場合がある
- 低Ca血症やPCo2の上昇の恐れがある
AFBFは、酢酸不耐症を未然に防ぎ,透析に関しては除水を行う為、除水に伴う血圧低下に関してはどうしようもないですが透析の大きな課題である血圧低下という問題に一つの答えを出した形になるものです。個人器で処方的に使用する場合もあれば、セントラルで送る液でつかうものもあります。AFBFに用いる無酢酸透析液により血中クエン酸濃度が高くなり、またキレート作用で低Ca血症等注意で、セントラルで流す場合は重炭酸濃度が高い為にB剤溶解装置の変更等が必要なもののメリットはありそうで、最近の新しい施設などでは導入が進んでいるそうです。私の施設では個人機にて「カーボスター」を使用してAFBFを行なっています。プラセボもあるでしょうが使っている患者さんは血圧も安定し調子も良くなったそうで、特に透析後の倦怠感がなくなったそうです。